ピックルボールの歴史:家族の遊びから世界的スポーツへ

ピックルボールは1965年、アメリカ・ワシントン州の小さな島で始まり、今では世界中で楽しまれているスポーツとなりました。初めは家族向けの遊びとして考案されましたが、現在は数百万人のプレイヤーが参加する急成長中の競技スポーツとなっています。

本記事では、ピックルボールの誕生からその発展までの歴史を紹介します。

目次

ピックルボールの誕生 (1965年)

ピックルボールは、家族全員が楽しめるスポーツとして、1965年にワシントン州ベインブリッジ島で誕生しました。

ジョエル・プリチャード下院議員と成功したビジネスマンのビル・ベルは、自宅で退屈していた家族のために、裏庭のバドミントンコートでゲームをしようとバドミントンの用具を探したのですが、ラケット一式が見つかりませんでした。

そこで、卓球のパドルと穴あきプラスチックボールを使って行うことにしたのです。

バドミントンのルールを元に、プレイしながらネットの高さが調整されるなど、家族全員が楽しめる遊びとしてピックルボールの基本ルールが形作られました。

このようにして、家族向けの遊びとしてスタートしたピックルボールは、短期間で地域に広がりました。

最初のルールと設備の整備 (1965-1975年)

ピックルボールが誕生した後、プリチャードとベルは友人であるバーニー・マッカラムの協力を得て、ルールを整備していきました。また、ジョエルの友人ボブ・オブライエンの裏庭に、最初の常設ピックルボールコートが建設。

1972年には、ピックルボールの保護を目的とした法人が設立されました。

メディア露出と競技の普及 (1975-1980年代)

ピックルボールは1975年、ナショナル・オブザーバー紙で取り上げられたのをきっかけに、徐々に知名度が上がりはじめ、テニス誌でも「アメリカの最新ラケットスポーツ」として紹介されました。

1976年にはワシントン州タックウィラのサウス センター アスレチック クラブで、世界初のピックルボールトーナメントが開催。

1980年代にはUSAピックルボール協会 (USAPA) が設立され、競技スポーツとしての基盤が整えられました。

競技スポーツとしての成長 (1990-2000年代)

1990年代には、ピックルボールは全米50州でプレイされるまでに成長し、初のインターネットサイト「Pickleball Stuff」が開設され、プレイヤーに情報、用具、製品を提供。

また、1999年にはアリゾナ州シニアオリンピックにも採用され、アメリカ国内での人気はさらに高まりました。

2005年にはUSAピックルボール協会 (USAPA) が法人化され、ピックルボールの発展を促進するための全国組織として再編されました。

ピックルボールの国際的普及 (2010年~)

2010年代に入り、ピックルボールは国際的にも注目されるようになり、米国だけでなく世界中でプレイされるようになりました。

2016年には初の全米オープンピックルボール選手権が開催され、テレビ放映も行われました。

さらに、2020年代にはUSAピックルボールとしてブランドが再編され、競技のプロフェッショナル化や国際大会の拡大が進んでいます。

現在のピックルボールと今後の展望

ピックルボールは現在、アメリカを中心に世界的な人気を誇り、最も急速に成長しているスポーツの一つとなっています。

2023年の時点で、アメリカ国内のピックルボールプレイヤーは約890万人に達し、その人気は年々増加しています。

特に、プロリーグや大規模なトーナメントが開催されるようになり、ピックルボールはレクリエーションを超えて、競技スポーツとしての地位を確立。このスポーツの成長には、メディア露出の増加や、シニア層から若年層まで幅広い年齢層に受け入れられたことが大きな要因です。

例えば、2022年に開催された「マルガリータビルUSAピックルボール選手権」では、プロ選手が参加し、賞金総額が15万ドルに達しました。さらに、試合の様子が全国放送され、観客動員数も記録的な5,522人を達成しました。こうした大規模なイベントやメディア露出が、ピックルボールの成長をさらに加速させています。

今後の展望として、ピックルボールは国際的な競技としてさらに発展することが予想されます。USAピックルボール協会(USAPA)は、他の国々との協力を進め、国際大会の開催やルールの標準化を進めています。

また、プレイ人口の増加に伴い、スポーツ施設やコートの数も急速に増加しており、2022年の時点でアメリカ国内には約21,000のピックルボールコートが存在しています。

今後のピックルボールの成長には、さらなる普及活動やプロフェッショナルリーグの拡大が期待されます。

特に、若年層の参加者が増えることで、競技レベルの向上や新たな才能の発掘が進み、オリンピック種目に採用される可能性も見据えられています。

ピックルボールは、その手軽さと競技性のバランスが取れた魅力により、今後も世界中で多くのファンを獲得し続けるでしょう。

参考サイト:https://usapickleball.org/what-is-pickleball/history-of-the-game/

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