ピックルボールのパドル主要7部品の役割・素材を紹介

ピックルボールはアメリカで急速に成長しているスポーツで、初期の頃はあり合わせの木材でパドルが作られていました。

パドルは、パフォーマンスを左右する重要な部品で構成されており、それぞれが特定の役割を果たしています。

本記事では、ピックルボールパドルの主要なパーツについて詳しく解説します。

各部品の素材や性能への影響を知ることで、パドルの選択に役立つ知識を得られるでしょう。

目次

ピックルボールパドルの規定

ピックルボールの公式ルールは、USAピックルボール協会によって定められており、パドルの規定も含まれています。

ピックルボールパドルのサイズ制限

パドルの長さと幅の合計は24インチ(約61cm)以内である必要があります。

特に重要なのは、エッジガードを含めたパドルの最大長が17インチ(約43cm)に制限されている点です。

協会は認定されたパドルリストを公開しており、トーナメントで使用可能なパドルはこのリストに基づいて判断されます。なお、パドルの厚さや重さについては制限がなく、好きな重量のパドルを選べます。

パドル面に関するルール

テニスや卓球と異なり、ピックルボールのパドル面にはスピンに影響を与えるような粗い表面加工や砂などを付加することはできません。

パドル面が極端に加工されたり、スピンをかけやすい素材を追加することは禁止されています。

表面素材の種類についてはルール上の制限はありませんが、自作の改造などは禁止されています。そのため、プロのメーカーから購入することをおすすめします。


ピックルボールパドルの7部品

パドルには大きく分けて「ヘッド」と「ハンドル」の2つの主要な構成がありますが、それらをさらに細かく見ていくと、以下のようなパーツに分けられます:

  • エッジガード
  • フェイス
  • コア
  • スロート
  • ハンドル
  • グリップバンド
  • グリップエンド

参照:7 Common Parts Of A Pickleball Paddle

エッジガード(Edge Guard)

ピックルボールパドルの外周部分にある保護用のストリップが「エッジガード」です。パドルが落下したり地面に接触した際に傷つくのを防ぎ、パドルの耐久性を高める役割を果たします。

エッジガードがあるパドルは一般的に耐久性が高くなりますが、その分重量が増えることが多いです。エッジガードがないパドルもあり、耐久性を上げるためにはエッジテープを貼ることで補強が可能です。

エッジガードには軽量で頑丈な素材が使われることが多く、プラスチックやゴムが一般的です。耐摩耗性があり、衝撃を吸収できるため、パドルのバランスに影響を最小限に抑えつつ、耐久性を高めることができます。

エッジガードがあることで、パドルの「スイートスポット」(理想的な打撃ポイント)がやや小さくなります。そのため、ボールが最も良い反応を得られる打撃エリアが若干減少する可能性があります。

また、エッジガードが追加されたことで重さが増え、速い試合展開においてパドルのバランスや機動性に影響を与えることがあります。

フェイス(Paddle Face)

フェイスと呼ばれるパドル表面は、パドルの持ち手の上部に広がる大きな平面で、ボールが直接接触する部分です。

フェイスは、フェイス-コア-フェイスの構造でコア(中心部分)を両側から挟む形で配置されており、このエリアがパドルの中で最も広い表面積を持ちます。しかし、頻繁な接触により摩耗しやすく、劣化しやすい部分でもあります。

パドルフェイスはさまざまな素材で作られており、一般的な表面素材には、グラスファイバー、グラファイト、カーボンファイバー、コンポジットなどがあります。

素材によってパドルの重さ、パワー、反応性が異なり価格帯も変わってきます。

  • グラファイト:軽量でコントロールに優れる
  • カーボンファイバー:最もコントロールが良いが高価
  • グラスファイバー:パワーと価格面でのメリットがあるが耐久性がやや低い

たとえば、グラファイトはコントロール性能に優れますが、パワーは抑えられます。一方で、グラスファイバーはコントロール性がやや劣る代わりに強力なパワーを発揮します。

フェイスの素材が全体の感触に影響するため、プレイヤーがどれだけ快適に、そして自信を持ってプレイできるかも左右されます。

パドルコア(Paddle Core)

パドルコアは、ピックルボールパドルの内部に位置する層で、両側のパドル表面の間に挟まれています。パドルの土台とも言える部分で、パドルの感触やパワー、コントロール性能など、さまざまな性能を左右する重要な役割を果たします。

コアは衝撃を吸収し、力を均等に分散させることで、全体的なフィーリングやパフォーマンスを決定づけます。また、重量やバランスにも影響するため、パドル設計において極めて重要な要素です。

ピックルボールパドルのコアに使われる素材には以下のようなものがあります:

ポリプロピレン: 最も一般的な素材で、耐久性が高く、軽量で柔らかいフィーリングが特徴です。
ノメックス: より硬く剛性の高い軽量素材で、アラミド繊維の一種です。ポリマーより硬い打球感を提供します。
アルミニウム: 軽量でコントロールやタッチ性能に優れた素材。アルミニウムコアは蜂の巣状の構造が特徴です。
ウッド: 木製のコアは安価ですが、重い上に柔軟性が低く、反発性や機動性にはやや劣ります。

コアは、パワー、コントロール、プレイヤーの快適さに大きな影響を与えます。

例えば、ノメックスのような硬いコアはパワーを強化し、より強力な打球が可能になります。一方、ポリマーのような柔らかいコアは、正確なボール配置がしやすく、コントロール性能に優れています。

また、柔らかいコアは振動を抑える効果があり、快適さを高め、腕への負担を軽減します。軽量なアルミニウムコアは操作性が高く、一方で密度の高いコアはパワーを増しますが、機動性は少し低くなる傾向があります。

また、コアの厚さも重要な要素です。一般的に、コアが厚いほど安定性やコントロールが向上し、スイートスポットが広がり、センターから外れたショットでもミスが減る傾向があります。

スロート(Throat)

スロート(ネック)は、パドルフェイスからハンドルへとつながる部分で、構造的な橋渡しとしての役割を果たしています。パドルの顔と持ち手の間を安定させ、特にパドルフェイスから持ち手への力の移行をサポートします。

テニスラケットにははっきりとしたスロートがあることが多いですが、ピックルボールパドルにはスロートがない、またはあまり目立たないデザインのものもあります。しかし、スロートが強調されているパドルは、剛性とバランスが向上する傾向にあります。

スロート部分は、一般的にパドルフェイスやコアと同じ素材で作られており、バランスと安定性を保ちつつ、無駄な重量を増やさないように設計されています。そのため、スロートはパドルの耐久性を高めつつ、全体的な操作性を維持する重要な役割を果たします。

グリップ(Handle)

ハンドルは、プレイヤーがパドルを握る部分で、手とパドルの主な接点となります。安定した握りやすさを提供し、快適にプレイするために重要な役割を果たしています。

ハンドルの長さは一般的に10~15cm程度、円周は10~11.5cm程度が多く、形状は丸型、八角形、四角形などさまざまです。

ハンドルの芯材は、パドルコアと同様に、コンポジット、木材、カーボンファイバーなどの頑丈な素材が使用されることが多いです。この芯材の上には、滑り止めやクッション性を提供するためにグリップテープやクッション材が巻かれています。こうした素材により、安定したグリップと、滑りにくい握り心地が確保されています。

ハンドルの長さやサイズは、プレイヤーのコントロール性、操作性、リーチに大きく影響します。短いハンドルは操作性が向上し、素早い反応が可能になりますが、リーチはやや短くなります。一方で、長いハンドルはリーチや力の増幅に役立ち、強力なショットが打ちやすくなりますが、操作性は少し制限されることもあります。

自分の手に合ったサイズや形状を選択することで、パフォーマンスの向上につながります。


グリップバンド(Grip Tape)

グリップバンドは、パドルのハンドル部分を覆う外層で、プレイ中に快適さや汗の吸収、パドルの保護を提供します。プレイヤーがハンドルの太さを調整できるため、複数の層を重ねることで円周を増やし、自分に合った厚さに調整することも可能です。

素材には、合成皮革、ゴム、ポリウレタン(PU)などが一般的に使用されます。これらの素材は、適度な粘着性、吸湿性、耐久性を持ち、プレイヤーの握りやすさをサポートします。

さらに、一部のグリップバンドにはジェルやフォームのインサートが組み込まれており、快適性を向上させる工夫がされています。また、通気性を向上させ汗を防ぐために、穴開き(パーフォレーション)やリッジ(凹凸)加工が施されているものもあります。

グリップはプレイヤーの快適さやコントロールに大きな影響を与えます。適切なグリップは、プレイ中にパドルが滑るのを防ぎ、より精度の高いショットや操作性の向上につながります。

また、グリップの厚さや素材によって衝撃吸収の度合いも変わります。特にクッション性の高いグリップは、衝撃や振動を吸収し、手や腕への負担を軽減してプレイヤーの疲労を減らす効果があるため、長時間のプレイでも快適に使用できます。

グリップエンド(End Cap)

グリップエンドは、パドルのハンドルの最下部に位置する部分です。通常、小さな丸みを帯びた形状や平らな形状で、ハンドルの端を覆う素材でできています。

ハンドルの内部構造を保護しつつ、パドル全体に整った外観をもたらします。また、持ちやすさを向上させ、使用中にパドルが手から滑り落ちるのを防ぐ役割も果たします。

素材は、プラスチックやゴムが一般的に使用されます。プラスチック製は、耐久性が高く、コストが低いため多くのパドルで使用されています。一方で、ゴム製は追加の衝撃吸収性があり、より快適な握り心地を提供します。

グリップエンドは、パドルのデザインや製造メーカーの好みによって異なるので、あまり気にしなくて良いでしょう。

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